退職や再就職、入院を経て、
少しずつ生活は前に進み始めていました。
次に転職したのは、大きな法人病院の訪問リハビリ部門でした。
自分の経験を活かし、患者さんの生活により近い場所で関わりたい。
そんな思いを持って選んだ職場でした。
やっと、やりたかった仕事に就くことができた。
その喜びと同時に、再燃への恐怖を抱えながら働いていたのを、今でも覚えています。
■ 出会いと、「家族を持てないかもしれない」という迷い
働き始めて1年ほど経った頃、
同じ病院で働く医療ソーシャルワーカーの女性と出会いました。
後に妻となる人です。
付き合い始めた当時から、年齢的にも結婚を意識していました。
しかし私は難病である潰瘍性大腸炎の患者です。
本当に付き合っていいのか。
結婚を考えてもいいのか。
何度も迷いました。
付き合う前に、自分の病気のことをすべて打ち明けました。
すると妻は、その事実を受け止め、
むしろ一番の理解者になってくれました。
体調を常に気にかけてくれ、
受診にも付き添ってくれる。
そんな存在だったからこそ、
「この人と結婚したい」と思えるようになったのだと思います。
正直、難病患者である自分は、
家族を持つことはできないのではないかと考えていました。
けれど、
本当に理解してくれる人は、ちゃんとどこかにいる。
そう感じられた出来事でした。
■ 結婚、そして子どもの誕生
付き合って半年で同棲。
1年後に入籍。
その後すぐに子どもにも恵まれました。
多少体調を崩すことはあっても、
再燃することなく生活できていました。
「このまま普通に生きていけるかもしれない」
そう思い始めていた頃でした。
■ 再燃の予兆は静かに始まる
子どもが生まれて2年ほど経った頃、
仕事でも責任のある役割を任されるようになり、忙しくなっていました。
初めての子育てもあり、夫婦で協力しながらの毎日でした。
そんな中、少しずつ異変が現れ始めます。
下血。
腹痛。
「またか…」
嫌な予感はすぐに現実になりました。
■ あっという間に日常は崩れる
再燃までは本当に一瞬でした。
お腹を針で刺されるような痛み。
大量の下血。
1日20回を超える下痢。
まともな生活はできませんでした。
妻がお腹に優しい食事を作ってくれても、
食事中に何度もトイレへ向かう。
それでも、
「家族がいるから頑張らないといけない」
その思いが無理をさせていました。
しかし限界はすぐに訪れます。
夜中も腹痛で目が覚める。
トイレにこもる。
睡眠はほとんど取れない。
休みの日も子どもと遊ぶことができず、
育児は妻に任せきりになってしまいました。
■ それでも仕事へ行こうとしていた
出勤しようとして家を出るものの、
近くのコンビニのトイレから動けなくなる。
結局、そのまま仕事を休む。
そんなこともありました。
当時はそれでも
「仕事へ行かなければならない」
という使命感に支配されていたように思います。
■ 受診すれば入院になると分かっていた
妻からは何度も受診を勧められました。
しかし自分の体のことは自分が一番分かっています。
この状態で受診すれば、
入院になる。
それが分かっていたから、
踏み出せませんでした。
食事を工夫し、家でなんとかしようとしましたが、
症状は改善しません。
そして最後は、
妻に連れて行かれる形で受診することになりました。
■ 主治医の変更という決断
妻は医療ソーシャルワーカーです。
系列病院の中から信頼できる医師を探し、
主治医を変えるという選択をしてくれました。
以前の主治医には、
漢方への理解が得られないなど、
どこか不信感がありました。
この時に出会った先生には、
今でも本当にお世話になっています。
■ 即入院の宣告
診察の結果は予想通りでした。
「すぐに入院が必要です」
子どもがまだ小さいこと、
妻にすべてを任せることになること。
それが引っかかり、
入院は避けたいと伝えました。
しかし状態はかなり悪く、
内視鏡も直腸付近の強い痛みで奥まで進められませんでした。
最終的に妻から
「大丈夫だから、早く治して」
と背中を押され、
入院を受け入れることになりました。
■ 家族に会えない入院生活
治療は
- ステロイド60mg点滴
- G-CAP
- イムラン
またステロイドです。
過去の経過を伝えましたが、
症状の重さから再び使用することになりました。
高用量ステロイド、個室管理、面会制限。
しばらく家族に会うこともできませんでした。
この間、
妻には本当に大きな負担をかけてしまったと思います。
■ 2か月後の退院、そして…
約2か月の入院を経て退院。
その後はステロイドを減量しながら、
仕事復帰を目指す流れになりました。
しかし――
ステロイドを減らし始めた頃、
再び症状が現れます。
私は再び、
ステロイドに振り回されることになります。
■ まとめ ー 守るものがあるほど、選択は難しくなる
独身の頃とは違い、
家族がいる中での再燃は、
身体的にも精神的にも重さが違いました。
治療の選択ひとつが、
家族の生活にも直結する。
病気は自分だけの問題ではなくなる。
それを痛感した出来事でした。
次回は
ステロイド減量中の再燃。
繰り返される治療。
終わりが見えない不安。
「効くけれど、頼り続けることはできない」
そんな葛藤の中での治療について、
次回書いていきたいと思います。
⭐️これまでの治療経過はこちら→治療編1〜5



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